第4回日本Glycemic Index 研究会に寄せて

 第4回の日本 Glycemic Index 研究会は、例年どおり約200名の参加を得て、2005年7月17日に慈恵医大を会場に行われた。

 

 昨年の4月の日本内科学会雑誌にメタボリックシンドロームの定義と診断基準が掲載されたところであり、前年から活発になったこの問題が広く注目を浴びてきた。 これは日本内科学会が中心となり、高血圧学会、糖尿病学会、肥満学会など8学会の代表者で構成した診断基準検討委員会でまとめ上げたものである。 心臓血管系や脳血管系など増加しつつあるリスクファクターの集積に注目し、1次、2次予防へと充分に注目して行くべきことを謳い上げた国家的キャンペーンである。 メタボリックシンドロームはウエスト周囲径の基準を男性85cm、女性90cm以上とし、このような方に高トリグリセライド、低HDL、高血圧、高血糖、肥満などの重積を問題としている。 これらの基盤には食後高血糖、食後の高インスリン血症があり、これらの抑制に注目することがなによりも求められている対策の第1歩である。 これこそ Glycemic Index 研究会の目的である。

 

 今回は、採血することなく、血糖値の追跡を可能にする機器の開発に取り組んでおられる富山大学の山口昌樹先生に特別講演をご担当頂いた。 日本人の豊かな食習慣でどのような食事、どんな献立が高血糖、インスリンの過分泌を避けられるのかは、広く多くの方々の研究データが必要であり、実際には個々の方々での検討が大事である。 それには測定に出来るだけ負担の少なく、容易に測定出来る機器、方法の開発が欠かせないところである。 その面ではこの分野の仕事の発展に期待するところが大きい。 大変興味深いお話をうかがえて有益であった。 年々、GIに向けられる関心が高まりつつあることを実感している。 この面での地道な研究とその活用とが一層広く行われることに期待したい。

 

 

田中照二

日本Glycemic Index 研究会 代表幹事

立川中央病院附属健康クリニック院長

東京慈恵会医科大学 客員教授